陰陽太極鍼

刺さずに置く。効果もすぐに確認できる独自の鍼灸治療法

鍼灸医学は「陰陽論」により成り立つ医学

あらゆる事象を陰陽で分析し、治療に取り入れ役立てるのが「陰陽太極鍼」(1998年論文発表、世界鍼灸学会において最優秀賞受賞)です。「陰陽」とは上下、左右、表裏などの存在(部位)の陰陽や、寒熱、虚実などの現象(症状)の陰陽、昼夜、夏冬などの時間の陰陽などのことです。上の病は下にとり、下の病は上にとる、右は左に、左は右にとって陰陽の調整をすれば症状はよくなると考えております。熱なら清熱、冷えなら温法などの陰陽の調整をすれば症状が改善します。基本的にこのような考え方で治療します。

人体は臓腑を中心に諸器官が形作られます。故に種々な症状(現象)は、臓腑機能の低下から起こります。体内の変調は「経脈(けいみゃく)」を通じて体表に現れるので、経脈の流れの異常を見つけ、そこに適切な処置(鍼やお灸など)をすれば経脈の流れが改善し、経脈に繋がる臓腑機能が改善します。臓腑機能が良くなれば諸症状も良くなるのです。

鍼は刺さずに皮膚に置く

身体には「経絡(けいらく)」というエネルギーの循環経絡があります。手足に三陰三陽計十二経脈があり、それぞれ五臓六腑を通過しています。その流れは時間と共に変化(盛衰を繰り返し)しながら廻っているといわれていますが、その日その時の身体の状態で開くツボがあります。それは軽く触れると他より少し過敏(気持ちよいとかくすぐったいとか)な反応があります。それを「開穴(かいけつ)」と呼びます。

事前の体表観察によって得られた身体各部の体表反応(圧痛、硬結、膨隆、陥下、発汗、変色など)が、その日その時に開くツボ「開穴」に鍼(または、王不留行の種子※)を置くだけで変化します。置くだけの鍼で、体表反応の変化を確認できれば効果は確実です。置くだけの鍼から経脈や経穴の存在が明らかになり、生命の神秘、生命の不思議が見えてきます。刺さずに置くだけの、ほんの微細な刺激で身体が大きく変化します。そして自然治癒力が最大限に引き出され、病が良くなるのです。

その他、耳穴、頭鍼(微鍼療法と言って局所で全体を治療する方法)、刺絡(局所にたまって動かない悪血(瘀血)を少量とって血流を良くする方法)なども陰陽論の応用として適宜行います。

皮膚は人体最大の臓器

「内臓」に対して「外蔵」と呼ばれ、情報の発信、伝達、処理をしています。そして、皮膚は中枢神経と同じ外胚葉ですので、皮膚への刺激は瞬時に中枢神経に伝わり、その情報はすぐ全身へ伝達され、処理されるのです。経穴は皮膚上にあり、経絡を介して、臓腑を動かします。臓腑機能が改善すると代謝が良くなり自然治癒力が働き、病が治るのです。他に治療法のない病気にも充分対応できるものと考えております。

※王不留行の種子
 王不留行の種子は、漢方薬の種子で行血通経作用に優れており、銀粒や鍼に比べて皮膚に親和性があり安全です。
 耳殻は全身の縮小でもあり、耳のツボに貼ると全身への影響が大きく、持続効果もあります。又、背部兪穴などに鍼の代わりに貼っても効果を発揮します。

陰陽太極鍼テキスト―刺さない鍼で効果を出す配穴と施術法 | 吉川正子 |本 | 通販 | Amazon